産科医療補償制度

 産科医が安心して働くことができ、産科医の深刻な不足を解消するためには、分娩に係
無過失補償制度が必要との声が高まり、平成19年2月に厚生労働省の委託事業として

日本医療機能評価機構の中に検討のための委員会が設置され、20年1月に産科医療補償制度の報告書がまとめられました。この内容に沿って運営組織は同機構が担当し、平成21年1月以降誕生した子どもから適用し、分娩機関からの保険料徴収は2月からとなります。

目的  @分娩に係る事故により脳性麻痺となった児及び家族の経済的負担の補償。
     A事故原因の分析と事故予防の情報提供。
     Bこれらを通じて紛争防止、産科医療の質の向上を図る。

制度  @民間の損害保険を活用。
     A原則として全ての分娩機関がこの制度に加入することが求められる。

補償の対象
     @通常の妊娠、分娩にもかかわらず脳性麻痺となった場合。原則として出生体重
    2
000グラム以上、かつ在胎週数33週以上で、身体障害者等級1・2級相当の
      重症者。しかしこの基準を下回る場合でも、在胎週数28週以上の児については
      個別審査を行う。
     A補償から除外される基準としては先天性要因(広範な脳奇形、染色体異常、遺伝
      子異常など)と新生児期の要因(分娩後の感染症)。

補償水準
    @給付総額は3000万円、その内訳は一時金は600万円、分割金が子どもが
    20歳になるまで毎年120万円(途中で死亡しても給付総額は変わらない)。

     A分娩機関に損害賠償責任がある場合は本制度の補償金と損害賠償金との調整を行う。

手順  @制度加入(妊産婦に説明・補償約款の確認)。
     A妊産婦登録、保険料は分娩機関が1分娩当たり3万円を支払う。
     A補償申請、審査、補償金支払い、原因分析・再発防止。

 なお、各分娩機関が保険料相当分を分娩費用に上乗せすることが予想されるため、厚労省は
医療保険で給付する出産育児一時金を3万円引き上げる方向で準備を進め、年間の給付対象は
500〜800人を予定しているとのことです。

 この補償制度については日本医療機能評価機構のホームページからも知ることができます。