Patienrs'Rights Ombudsman Tokyo

                         


日付:2010年5月
『カルテ開示等診療情報提供システム』
            に関する実態調査報告

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要 旨

患者の権利オンブズマン東京は、東京都、神奈川県の(財)日本医療機能評価機構認定病院291病院に「カルテ開示等診療情報提供システム」の現状に関する実態調査表を送り、91病院から回答をいただきました。この調査は日本医療機能評価機構認定病院を対象にしていることから、カルテ開示の体制については現在の我が国の病院・診療所のカルテ開示の一般的水準より高いと考えられます。

(1) カルテ開示の体制に関する回答は、@開示請求のための申請用紙がある(100%)、A診療記録の開示手続き等に関する規約(規定)を作成している(97.8%)、B開示請求の受付窓口を設置している(89.0%)、C診療記録の開示手続き等に関する説明文の掲示をしている(61.5%)、D診療記録の開示手続き等に関する患者向け文書を作成している(59.3%)でした。多くの病院が開示の体制を整えているものの、患者への開示手続きの情報提供はいまだ十分ではないことが分かりました。
(2) 過去1年間の開示請求件数(但し、複写請求があった件数を基準とし、閲覧請求のみの場合は除く)は、0件が8院、19件が29院,1019件が16院、2029件が13院と、29件以下が72.5%を占めていました。意外に開示請求が少ないことが分かりました。
(3) 開示請求が少ない理由として当会が着目したのは、@請求費用に病院間の開きが大きく、中には開示請求を断念せざるをえないほどの高額な病院もある、A開示請求の際に請求の理由を尋ねる(54.9%)、などです。このような対応は、カルテ開示による患者の知る権利の行使を妨げる要因になると考えます。


 カルテ開示の普及のために、医療機関及び医療者に対しては、医療側にとってもカルテ開示は重要であることを理解し、カルテ開示に関する情報提供を積極的に行い、病院内の環境を整えるとともに、過重な負担なく開示請求に応じることができるようにするために解決すべき問題点については具体的に発信していくことを要望します。
 また、国は、患者が容易かつ円滑にカルテ開示請求を行えるようにするためにカルテ開示に要する医療機関の労力・費用にも十分配慮した環境整備を行う必要があると考えます。そのために、カルテ開示等診療情報提供システムについて全国的な実態調査を実施することを要望します。


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