「人は、基本的人権として、個人情報を自分でコントロールする権利を持っている、と考えられています。このような考え方からすれば、患者の個人情報が満載されているカルテを患者自身が閲覧・謄写できることは当然のことです。またインフォームド・コンセントは,医師が患者に対して,何も隠さず真実の情報を提供することを前提として成立するものです。その信頼を担保するためにも、カルテは患者自身に開示されることが必要です。」(特定非営利活動法人患者の権利オンブズマン編「Q&A 医療・福祉と患者の権利」明石書店2002年)
カルテの開示は、以前はまったく法制化がなされていませんでしたが、現在では、次のとおり、多くの場合に法律上の権利となっています。
*個人情報の保護に関する法律
2005年4月1日より施行されている個人情報保護法です。5000件以上のデータを有する医療機関に適用されます。
*個人情報保護条例
都道府県ごとの規定です。5000件未満のデータ数の医療機関や地方自治体が開設する医療機関に適用されます。
*行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律
国立病院に適用されます。
*独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律
国立大学附属病院などに適用されます。
しかし、遺族からのカルテ開示請求など、未だに法律で権利とされていない部分もあり、それらについては、厚生労働省が2003年9月12日に定めた「診療情報の提供等に関する指針」でできる限り、開示するよう指導がなされています。
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