Patienrs'Rights Ombudsman Tokyo

                         




LAK療法の混合診療をめぐって

 患者の権利オンブズマン東京では患者・家族からの苦情相談や同行支援とともに、第三者としてのオンブズマンによる調査点検活動を行っています。この度、あるがんセンターでLAK療法(患者の血液から分離したリンパ球を増殖・活性化し、患者の体内に戻すことによって、がん細胞を攻撃しようという治療法。活性化自己リンパ球移入療法と称される免疫療法の一種)を受けたが亡くなった遺族からの申立を受け、オンブズマン会議が調査点検を行い報告書をまとめました。
 この事例はLAK療法がまだ保険で認められていない療法なので、がんセンターがその分の費用を患者に請求し、その他の費用を保険適用していたのは混合診療ではないか、またLAK療法についての説明が適切ではなかったという申立でした。オンブズマン会議は双方から事情聴取を行い、慎重な審議の結果遺族の申立を認めたものです。
 がんセンターは患者の要望にそって行ったと説明し、その姿勢は大切なことですが、やはり先進的な医療を含め治療は現在の健康保険の制度の中で、即ちすべて健康保険で、それができないときはすべて自由診療で、或いは限定的に両者を併用する保険外併用療養制度で行い、勝手な解釈は許されない、そして患者には正しい説明をすべきということです。
  調 査 報 告 書

第1 苦情
 
本件苦情は、次のとおりである
 
1 A公立がんセンターは、混合診療を行っていた。
 
2 A公立がんセンターは、患者Bさんに対してLAK療法実施にあたり、説明を適切に行わなかった。

第2 オンブズマン会議の判断
 「患者の権利オンブズマン東京 オンブズマン会議」が調査の結果達した結論は、次のとおりである。
 1 A公立がんセンターは、混合診療を行っていた。
 2 A公立がんセンターは、患者Bさんに対してLAK療法実施にあたり、説明を適切に行わなかった。

第3 調査報告書提出に至る経緯
(1)患者の権利オンブズマン東京への相談以前
 Bさん(以下「本件患者」という)死亡後、LAK療法の費用の請求について不信を感じた本件患者の次女Cさん(以下「申立人」という)は本件患者が受診していたA公立がんセンター(以下「本件センター」という)に対し、情報開示手続きをとって本件患者のカルテとレセプトを取り寄せ調べるうちに、混合診療を行っていたのではないか、との疑問をもつにいたった。
 週刊誌Dは、公立がんセンターに関する記事を掲載した。
 所管の病院課は、2005年9月27日、「週刊誌Dの公立がんセンターに関する記事について」という文書をマスコミに配布した。

(2)患者の権利オンブズマン東京への相談・調査申立
 申立人は、2005年11月9日、患者の権利オンブズマン東京に相談した。
 申立人は、2005年12月14日、患者の権利オンブズマン東京に調査申立を行った。

(3)オンブズマン会議の調査
 2005年12月17日、オンブズマン会議は、調査申立受理を決定し、調査小委員会を設置した。
 同年同月19日、申立人から、A地方自治体だけではなく、A社会保険事務局にも苦情を述べていて解決できるかもしれないので、オンブズマン会議の調査は待ってほしいとの希望が表明され、オンブズマン会議の調査は、いったん停止した。
 2006年1月29日、申立人から、A社会保険事務局の回答がでるとしても相当先になりそうなので、オンブズマン会議の調査をすすめてほしいとの要望があり、調査を再開することとした。
 同年1月30日、本件センターに事情を聴取したい旨の依頼を行った。
 同年2月11日、申立人から事情を聴取した。
 同年3月9日、本件センターから事情を聴取した。
 同年同月17日、調査小委員会を開き、調査報告書案について合議した。
 同年同月25日、オンブズマン会議を開き、調査報告書案について合議した。
 同年4月8日、オンブズマン会議を開き、調査報告書案について合議した。
 同年同月15日、オンブズマン会議を開き、調査報告書案について合議し、決定した。

第4 苦情に関する争点
 1 争いのない事実
(1)当事者
 申立人は、A公立がんセンターで2003年2月からLAK療法・その他の治療を受け、2004年8月23日に死亡した本件患者の相続人・子ある。
 本件苦情の相手方は、A公立がんセンターである。

(2)本件センターの組織
 本件センターは、事務を担当する部門、病院、臨床研究所から成り立っている。
 病院は、医療局・医療技術部・看護局等から構成される医療機関である。
 臨床研究所は、4部門から構成される研究機関である。臨床研究所は、通常、患者を診療していない。
 これらに勤務する者は、Aの職員であり、公務員である。

(3)治療経緯
 本件患者は、2002年春、本件センターより肝内胆管癌との診断を受け、抗がん剤治療を勧められた。しかし、本件患者は、これを断り、民間療法を続けた。本件患者は、民間療法の効果がなかったため、2003年2月に本件センターを再度受診した。
 主治医のE医師は、2003年2月、本件患者にLAK療法を開始した。E医師は、本件患者に対し、LAK療法の費用約30万円が自己負担となり研究所から請求される、と説明した。カルテには、LAK療法の患者説明に関する記載がない。また、LAK療法についての同意書もない。
 本件患者は、2004年夏、「A公立がんセンター臨床研究所F」名義の約76万円の請求書を受け取った。振込先は、A健康財団F名義の銀行口座であった。
 本件患者に対するLAK療法は同年7月まで続けられ、本件患者は請求に応じ合計約190万円を上記銀行口座に送金した。
 本件患者は、同年8月23日治療の甲斐無く亡くなった。

(4)本件センターに事情聴取した内容要旨
 ア 本件センターにおけるLAK療法の取扱
 研究的治療として、倫理委員会に諮って、7年前頃からLAK療法を開始した。その倫理委員会の記録がなく、研究終了時期はわからない。
 その後もLAK療法を希望する患者が出てきたため、特に報告を義務づけることもなく、複数の科でLAK療法が行われていた。

 
イ E医師が行ったLAK療法の具体的な手順
 E医師は、研究所でLAK療法を研究していることを聞き、治療法として採用した。LAK療法は、E医師が臨床研究所に電話を1本すれば開始することができた。主治医であるE医師がLAK療法の開始を指示すると、患者からの採血は看護師、培養は臨床研究所のF医師が行い、患者への輸血は主治医であるE医師が行った。
 E医師にとって、本件患者はLAK療法3人目の患者であった。


 
ウ 費用負担について
 LAK療法の費用は保険外診療として患者が負担し、LAK療法以外の医療費については公的医療保険(以下「医療保険」という)を適用しいた。


 
エ E医師の認識
 E医師は、LAK療法の費用については臨床研究所が研究費として患者に請求するものなので混合診療ではない、と思っていた。
 E医師は、本件患者に対してLAK療法の効果、保険対象外であること、LAK療法にかかる金額の説明を行い、本件患者が他の病院で説明を受けていたので、LAK療法について十分に理解していた、と思っていた。


 
オ 会計について
 本件センターの調査によると、本件センターの医師がLAK療法を行ったのは77件あり、そのうち12件において患者が費用を負担していた。
 本件患者が送金指示された銀行口座は、F医師がA健康財団から研究助成金を受けていた時に使用していた口座であった。同助成金交付がなくなった後は本来閉鎖すべき口座だったが、F医師は閉鎖せずに個人で管理していた。
 本件センターは、F医師個人が治療費を請求していたことを知らなかったことについて、会計管理としては不適切であり、管理不行き届きもあったと考えている。

 カ F医師の説明
 本件センターは、週刊誌Dの前記記事掲載の後、F医師から事情を聴取した。F医師は、自らの研究費が足りなくなったことがきっかけで患者から治療にかかる費用を負担してもらうようになったと述べた。

 キ 現在の状況
 本件センターは、現在LAK療法を行っていない。

2 苦情毎の個別争点に関する双方の主張
(1)混合診療にあたるか
 ア 申立人の主張の要点
 本件センターは保険診療と保険外診療を同時に行っており、混合診療である。

 イ 本件センターの主張の要点
 @) LAK療法の費用は保険外診療として患者が負担し、LAK療法以外の医療費については医療保険を適用していた。本件センターには「病院」と「臨床研究所」があり、LAK療法を「病院」として行っていれば混合診療になる可能性はあると思うが、LAK療法は「病院」が行ったたものではない。
 A) 所管の病院課がマスコミに配布した資料には、「がん治療の最前線では、患者さんからいろいろな治療をして欲しいと言われることが多く、例えば、まだ国で認可されていない薬などについて患者が個人的に購入して使用するという方法で対応している。免疫療法についても同様の手続きで進められており、また、その費用を病院として収入したものではないため、混合診療にはあたらない。」と記載されており、本件センターも同様の主張を行った。
 B) 本件センターとしては、F医師がLAK療法の治療費を請求していたことは、本件センターの会計としては扱われなかったため、知る機会がなかった。

(2)説明を適切に行ったか
 ア 申立人の主張の要点
 LAK療法についての適切な説明がなく、同意書もなかった。
 LAK療法は効果があるかどうか分からない療法であったが、そのことについての詳しい説明はなかった。また、説明を受けた金額と請求を受けた金額に差があり、臨床研究所ではなくF医師から請求を受けるなど、実際と異なる説明であった。

 イ 本件センターの主張の要点
 E医師は、本件患者に対してLAK療法の効果、保険対象外であること、LAK療法にかかる金額の説明を行い、本件患者は他の病院で説明を受けていたので、LAK療法について十分に理解していたと考えていた。同意書をとっていない点は不備かもしれないが、患者がどうしても治療を望む場合には同意書をとらないこともある。

第5 苦情に関する判断
 1 苦情1(混合診療を行っていた)について
(1)健康保険法第72条
 現在、日本においては、貧富の差なくすべての国民が公平・平等に良い医療を受ける環境を保障するために国民皆保険の制度を設けている。
 健康保険法第72条で「保険医は厚生労働省令で定めるところにより診療に当たらなければならない」とされ、第80条でこれに違反した場合の罰則も定めている。

(2)保険医療機関及び保険医療養担当規則第18条
 前述の第72条に定める省令として保険医療機関及び保険医療養担当規則(以下「療担規則」という)があり、その第18条に「保険医は、特殊な療法又は新しい療法等については、厚生労働大臣の定めるもののほか行ってはならない。ただし、特定承認保険医療機関において行う第5条の2第2項に規定する厚生労働大臣の承認を受けた療養については、この限りでない。」としている。
 ここでいう「厚生労働大臣の定めるもの」とは診療報酬点数表に収載されている療法のことであるから、点数表にない療法を行う場合は医療保険を適用できない。この措置は医療保険においては安全性、有効性などが確認された療法を給付対象とする趣旨からである。
 LAK療法は、療担規則第18条に示す保険点数に収載されていない特殊な療法である。したがって、保険医は原則として医療保険を利用してLAK療法を行うことができない。その例外が次に述べる高度先進医療である。

(3)高度先進医療
 保険診療に上乗せして自由料金を徴収するいわゆる混合診療については、昭和59年以前は歯科補綴差額と差額ベッドが厚生省の通知によって容認されていた。
 ところが、昭和50年当時に歯科差額の著しい高騰が歯科再診料の実質的ゼロなど歯科保険診療の縮小を招いて悪循環となり、国民の歯科受療権侵害として国会でも大きな問題となり、昭和59年の健康保険法改正で、この差額を「特定療養費」として法的に制度化した。これは自由料金を含めた療養総額のうち保険相当分を「特定療養費」として保険から給付する制度で、混合診療を限定的に認めたものである。
 「特定療養費」には「選定療養」「高度先進医療」の2種類が設けられている。
 「選定療養」は、医療の根幹部分でない主としてアメニティ部分を患者が選択するもので、今日では、特別の療養環境の提供(差額ベッド)など16種類を定めている。
 「高度先進医療」は、まだ一般的には定着していない先進的な高度医療について限定的に保険併用を認めるものである。この「高度先進医療」は、普及性、有効性、効率性、安全性、技術的成熟度の実績を見つつ、適切な時期に全面保険導入の可否を検討することとされている。
 「高度先進医療」は、条件をクリアした特定承認保険医療機関のみが実施することができる。
 本件センターは、高度先進医療の実施を承認された特定承認保険医療機関ではない。

(4)本件センターの主張について
 ア 「患者による医薬品の個人輸入・使用と同じ」という主張について
 本件センターは、オンブズマンの事情聴取の際に、本件はがん患者が外国から医薬品を購入してそれを使う場合と同じであるから混合診療にはあたらないと主張した。
 しかし、LAK療法は「高度先進医療」に位置づけられており、医薬品ではなく特殊な療法である。外国から購入した医薬品の使用とは別の範疇である。また、このような主張が通るなら、全ての病院においてLAK療法が適法な混合診療として実施できることになり、LAK療法を高度先進医療として定めた意味が失われることになる。したがって、本件センターの主張は支持できない。

※ 参考
 平成18年3月13日付けで厚生労働省保険局から発出された「療担規則及び薬担規則並びに療担基準に基づき厚生労働大臣が定める掲示事項等」及び「選定療養及び特定療養費に係る厚生労働大臣が定める医薬品等」の実施上の留意事項について、
 「第7 医薬品の使用に係る厚生労働大臣が定める場合」
 「我が国の健康保険制度においては、一連の診療の中で、@保険医が保険診療と特殊療法等を併せて行うこと、A保険診療と自由診療を併せて行い、保険医療機関が、自由診療部分について患者から追加的な負担を求めることは、原則として禁止されており、これを行った場合には、当該診療は健康保険制度の対象としない(全て自由診療とする)こととしているため、日本で承認を受けていない医薬品を医師が個人的に輸入し、患者に処方した場合には、健康保険制度の対象とはならないものであること。ただし、患者自身が、自己の責任においてこのような医薬品を輸入し、これを使用すること自体は禁止されておらず、また、このような患者に対する保険給付が一律に制限されるものではない。」

 
イ 「LAK療法を『病院』として行ったのではなく、その費用も『病院』の収入にはなっていない」との主張について
 LAK療法については、「病院」のE医師の指示によりLAK療法が開始され、「病院」の看護師が患者から採血し、「臨床研究所」のF医師が培養し、「病院」のE医師が患者への輸血を行っていたものである。また、「病院」と「臨床研究所」は本件センターを構成する内部組織である。したがって、LAK療法は本件センターそのものが行っていたものと認められる。
 混合診療は、前述のとおり、保険給付と保険外の患者の負担との混合であることを意味する。すなわち、混合診療かどうかは、患者が保険給付と保険外の両方の支払いをしたかどうかによって決せられるものである。本件患者は、本件センターの職員F医師によるLAK療法の費用としての請求と指示に基づき、本件センター職員F医師名義の銀行口座に送金したものであり、それを本件センターが本件センターの収入とみなしていなかったとしても、混合診療を否定する根拠にはならない。
 したがって、本件センターの主張は、失当である。

 ウ 「患者が求めたから行った」との主張について
 患者の要望に真摯に応えることは医療者に求められる基本的な姿勢である。しかしながら、これも社会の規範の範囲内での行為に限られ、違法行為(本件センターが混合診療を行うこと)を行うことは許されない。
 このことは患者のLAK療法を受ける権利を否定するものではない。
 すなわち、本件センターは、患者からLAK療法を求められた場合、LAK療法の適応があれば保険診療を併用してLAK療法を行っている特定承認保険医療機関を紹介する方法があった。
 2003年当時、「活性化自己リンパ球移入療法(がん性の胸水、腹水に係るものに限る)」は、高度先進医療の整理番号22番(当時、現在は112番)に位置づけられ、その承認基準は、医師については日本血液学会の認定する血液専門医であること、当該療養の5年以上の経験、20例以上の症例など4項目、医療機関については当該診療科に2名以上の常勤医師の配置、適切な細胞培養施設、専任の細胞培養担当者、品質管理者の配置、24時間院内検査体制整備、倫理審査委員会の設置、承認後6ヶ月間又は当該療養10例実施までの間1ヶ月に1回地方社会保険事務所に実施状況の報告など10項目の基準が示されていた。
 高度先進医療としてのこの療法は平成9年から始められ、2003年当時、その基準を満たした承認医療機関は全国で14施設あり、A県内にも1施設あった。このように、特定承認保険医療機関と高度先進医療の認可を得て保険診療を併用してLAK療法を行っている施設も現にあったのである。
 また、他の幾つかの医療機関ではすべて自由診療であることを明らかにしてLAK療法を行っていたし、さらに本件センターを含めてどの医療機関でも必要な条件を整えて、LAK療法を患者負担なしに全額研究費で行うことは可能であった。
 安全性、有効性などが未確立の療法を、無条件に医療保険で支弁することは国民的コンセンサスを得られていないが、患者の強い希望があれば上記の道が用意されていた


 (5)苦情1についての結論
 
LAK療法の費用は保険外診療として患者が負担し、LAK療法以外の医療費については医療保険を適用していた。 
 LAK療法は、療担規則第18条に示す保険点数に収載されていない特殊な療法であるので、保険医は原則として医療保険を利用してLAK療法を行うことができない。その例外として高度先進医療があるが、本件センターは、高度先進医療の実施を承認された特定承認保険医療機関ではなく、本件センターの主張は、何れも理由がない。
 したがって、本件センターにおけるLAK療法は、適法でない混合診療である。
 よって、苦情1についての申立人の苦情申立には理由があり、支持できる


2 苦情2(説明が適切になされなかった)について
 (1)説明義務
 LAK療法は医療水準として未確立の癌治療法である。実施予定の療法は、医療水準として未確立のものである場合にも、患者の自己決定のため、当該治療法の内容、適応の可能性やそれを受けた場合の利害得失、費用を説明すべき義務があったと考えられる。
 なお、本件患者が他病院でも説明を受けていたが、E医師が本件患者の主治医として治療を担当していたのであるから、E医師が本件患者に対して適切な説明を行うべきであったのであり、他病院での説明があったからE医師の説明が不十分であってもよいというものではない。

 (2)実際の説明
 E医師は、LAK療法の費用について臨床研究所が患者に請求する研究費であると誤解していた。(本件患者に対するLAK療法が研究であるなら患者に費用を請求することはできないのであり、このような初歩的な誤解をしていたこと自体が問題である。)
 また、E医師は、LAK療法に関する患者の費用負担は約30万円であると誤解していた。(実際の請求額は約190万円であった。)
 さらに、E医師は、本件センターにおいてLAK療法を保険と併用して行うことが違法な混合診療にあたる、との認識を欠いていた。(混合診療は、健康保険法上の不正請求にあたるのみならず、その違法性は重大であるので診療契約そのものが無効となり、不当利得法理で処理されることになる。もし、違法な混合診療にあたるという説明があれば、本件患者は、少なくとも本件センターではLAK療法を受けなかった可能性が高い。)
 したがって、E医師が費用負担に関して正しい説明を行っていなかったことは、明らかである。
 E医師が本件患者に対して説明を行ったことを窺わせる記載がカルテになく、本件患者の同意書も存在しない。したがって、本件センターが本件患者に対しLAK療法の内容、適応の可能性等について十分な説明を行ったことを認める証拠はない。

 (3)苦情2についての結論
 よって、苦情2についての申立人の苦情申立には理由があり、支持できる。

    2006年4月17日
                  患者の権利オンブズマン東京 オンブズマン会議
石井 トク  (岩手県立大学教授・看護学)

飯塚 和之  (茨城大学教授・医事法)

大山 正夫  (医療政策研究者)

武田 文和  (埼玉医科大学客員教授)

田中とも江 (身体拘束廃止研究所所長)

谷 直樹   (弁護士)

堤  寛   (藤田保健衛生大学教授・病理学)

中野 麻美  (弁護士)

中村 道子  (ソレイユ会長)


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